Japanische Klassiker mit Furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Lesen Sie 二百十日 (にひゃくとおか) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.466 Zeichen · 60 Bildschirme
少し話して聞かせないか」
「聞かせてもいいが、何だか寒いじゃないか。ちょいと夕飯前に温泉に這入ろう。君いやか」
「うん這入ろう」
圭さんと碌さんは手拭をぶら下げて、庭へ降りる。棕梠緒の貸下駄には都らしく宿の焼印が押してある。
二
「この湯は何に利くんだろう」と豆腐屋の圭さんが湯槽のなかで、ざぶざぶやりながら聞く。
「何に利くかなあ。分析表を見ると、何にでも利くようだ。――君そんなに、臍ばかりざぶざぶ洗ったって、出臍は癒らないぜ」
「純透明だね」と出臍の先生は、両手に温泉を掬んで、口へ入れて見る。やがて、
「味も何もない」と云いながら、流しへ吐き出した。
「飲んでもいいんだよ」と碌さんはがぶがぶ飲む。
圭さんは臍を洗うのをやめて、湯槽の縁へ肘をかけて漫然と、硝子越しに外を眺めている。碌さんは首だけ湯に漬かって、相手の臍から上を見上げた。
「どうも、いい体格だ。全く野生のままだね」
「豆腐屋出身だからなあ。体格が悪るいと華族や金持ちと喧嘩は出来ない。こっちは一人向は大勢だから」
「さも喧嘩の相手があるような口振だね。当の敵は誰だい」
「誰でも構わないさ」
「ハハハ呑気なもんだ。