Japanische Klassiker mit Furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Lesen Sie 二百十日 (にひゃくとおか) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.466 Zeichen · 60 Bildschirme
「饂飩屋だって正業だ。金を積んで、貧乏人を圧迫するのを道楽にするような人間より遥かに尊といさ」
「尊といかも知れないが、どうも饂飩屋は性に合わない。――しかし、とうとう饂飩を食わせられた今となって見ると、いくら饂飩屋の亭主を恨んでも後の祭りだから、まあ、我慢して、ここから曲がってやろう」
「石段は見えるが、あれが寺かなあ、本堂も何もないぜ」
「阿蘇の火で焼けちまったんだろう。だから云わない事じゃない。――おい天気が少々剣呑になって来たぜ」
「なに、大丈夫だ。天祐があるんだから」
「どこに」
「どこにでもあるさ。意思のある所には天祐がごろごろしているものだ」
「どうも君は自信家だ。剛健党になるかと思うと、天祐派になる。この次ぎには天誅組にでもなって筑波山へ立て籠るつもりだろう」
「なに豆腐屋時代から天誅組さ。――貧乏人をいじめるような――豆腐屋だって人間だ――いじめるって、何らの利害もないんだぜ、ただ道楽なんだから驚ろく」
「いつそんな目に逢ったんだい」
「いつでもいいさ。桀紂と云えば古来から悪人として通り者だが、二十世紀はこの桀紂で充満しているんだぜ、しかも文明の皮を厚く被ってるから小憎らしい」