Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にとうしゃにのるおとこ

二等車に乗る男

豊島 与志雄

Lesen Sie 二等車に乗る男 (にとうしゃにのるおとこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.342 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

十一月の或る晴れた朝だった。私は大森の友人を訪れるつもりで、家を出ようとしていると、高木がやって来た。

「お出かけですか。」

玄関につっ立ってる私の服装をじろじろ眺めながら、高木は格子戸の外に立止った。

「ああ。……だが一寸ならいいから、上ってゆかない。」

「ええ……でも……。」

「実は約束しているので、余りゆっくりはしておれないが、暫くならいいから上り給え。」

「どちらへいらっしゃるんです。」

「大森まで。」

「大森。」

「ああ。」

「じゃあ……そこまで御一緒に行きましょう。」

その「じゃあ……」を変にゆっくり口籠って、それから後を口早に云ってのけて、愉快そうに眼をちらと光らした。変な奴だな……と私は思ったが、別段気にもとめないで、一緒に外に出た。

私達はとりとめもない話をしながら、電車停留場まで来た。すると高木は、東京駅まで一緒に行くと云って、電車の中までついて来た。電車はこんでいなかったので、二人並んで腰掛けることが出来たけれど、高木は妙に黙りこんでしまった。

それから、東京駅の前につっ立った時、高木はいやに私の顔を覗きこみながら、突然尋ね初めた。

「電車でいらっしゃるんですか。