Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひとのこのおやとなりて

人の子の親となりて

坂口 安吾

Lesen Sie 人の子の親となりて (ひとのこのおやとなりて) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.410 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

とにかく私は、自分が梅毒ではないかとか、カタワの子供が生れやしないかとか、生れた時からのキチガイで母親を蹴殺してオヤジにいきなり襲いかかるような妖怪が生れやしないかなぞと、最悪のことばかり考えていた。したがって、よい子が生れ、それをどう育ててどんなにするなぞという世間なみのことは全然考えていなかったのである。そんな子は生れる見込がないとやや絶望的にきめこんでいた傾きがあった。したがって、当り前の子供が生れたということだけですでに私には奇蹟的に思われ、それだけで自信がついたのかも知れないのだ。

まったく私には子供が生れたということが今でも奇蹟的に思うような気持が強い。オレにもこんな人なみのことが……と、妙な気持になることがままあるのである。そして今では子供の父になったことを嬉しく思っているのである。はじめはそうは思えなかった。子供の生れたことがウソのようにしか思えなかった。オレの子だなんて、とんでもないというような気持が強かったのだ。

子供が生れたばかりのころは、犬が子供に敵意をもち、噛みつこうとするので、こまった。それで犬よけのサクを造って子供を座敷牢に安置するような必要があったが、しかし当時は私自身がいつ子供をひねり殺すか、内々その不安で苦しんでいた。