Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとのかお
人の顔
夢野 久作
Lesen Sie 人の顔 (ひとのかお) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.908 Zeichen · 12 Bildschirme
二
トウの親子に見えた。
二
活動が済むころから、風がヒュウヒュウ吹き出したので、かなり寒い、星だらけの夜になった。
その中を二人は手を引き合って帰って来たが、嫩葉女学校の横の人通りの絶えた狭い通りへ這入ると、チエ子が不意に立ち止まって母親を引き止めた。そうして、いつもよりもずっとハッキリした声を、建物と建物の間のくら暗に反響さした。
「……おかあさん……」
母親はビックリしたようにふり返った。
「何ですか……チエ子さん……」
「あそこに……お父さまのお顔があってよ」
と云いつつチエ子は、小さな指をさし上げて、高い高い女学校の屋根の上を指した。
母親はゾッとしたらしく、思わず引いている手に力を入れて叱りつけた。
「何です。そんな馬鹿らしいこと……」
「イイエ……おかあさん……あれはおとうさまのお顔よ。ネ……ホラ……お眼々があって、お鼻があって……お口も……ネ……ネ……ソウシテお帽子も……」
「……マア……気味のわるい……。お父様はお船に乗って西洋へ行っていらっしゃるのです。サ……早く行きましょう」
「デモ……アレ……あんなによく肖ててよ……ホラ……お眼々のところの星が一番よく光っててよ」