Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

カークは、言葉を絶ってしばらく考えていた。

密林は、死んだような黄昏の闇のなかを、ときどき王蛇がとおるゴウッという響きがする。と、とつぜん、カークがポンと膝をうって言った。

「座間、名案があるぞ。僕にそんな莫迦気たことを、いわないでもすむようになるぞ」

「えっ、なにがあるんだ?」

「それは、この蔦葛のうえを“Kintefwetefwe”に利用するんだ」

「…………」

「つまり、コンゴの土語でいう『自然草の橋』という意味だ。ああ、これまでなぜ気がつかなかったんだろう」

リビングストーンのマヌイエマ探検の部に、その“Kintefwetefwe”のことがくわしく記されてある。

――マヌイエマ近傍では、川を覆うて生草の橋ができる場合がある。つまり、両岸からの蔓が緊密にからみ合って、それがひろい川だと河床ちかくまで垂れてくる。踏むとふかふかとした蒲団のような感じで、足を雪から出すように抜きあげながら進む。

それがここでは、人間の身長の倍以上のたかさで、蔦や大蔓が砦のようにかためている。

その自然の架橋を、いよいよ生気を復した三人がゆくことになり、やがて、マヌエラを押しあげてそのうえに立ったのである。