Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
探検の犠牲者のなかに、“Kellett”全覆式オートジャイロの操縦者でタマス木戸という、彼の腹心ともいう二世の青年がいたのである。折竹が、それに気付いたときの失意のさまといったら、剛毅な彼とはとうてい思えなかったほどだ。木戸は飛行中「天母生上の雲湖」の主峰の雲にひき込まれたのだ。
「とにかく、木戸君を酷使した嫌いがあったかもしれん。しかし、それは上空からの偵察で登攀の手がかりを見つけにゃならんし、じつに、飛行回数百二十一という記録だった。ところが、白、黄、青の三外輪はひっきりなしの雪崩だ。ただ紅蓮峰の大氷河だけに口が空いているが、そこは、君も知る大烈風が吹き下している」
その夜――。インドのビルマちかい巨竹の森のここでは、ぷんぷんジャングルの風が腐竹のにおいを送ってくる。豺が咆え、野豚が啼く熱林のなか――。そこに、アメリカ地理学協会が建てた丸太小屋がならんでいて、いまダネックが胸毛をあおぎながら、木戸の最期のさまを折竹に話している。
「しかしだよ、木戸君の犠牲でやっと分かったのは、あの『天母生上の雲湖』の主峰の雲の正体だ。あれは、おおきな気流の渦巻なんだ。