Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
獣は野性をうしない、人は人性をわすれる――私も死にゆく巨獣となんのちがいがあろう。
こうして、私は、悪魔の尿溜を征服し、そうして征服されたのだ。だがマヌエラ、まだ私はさようならだけはいえるよ。
座間の手記は、ここで終っていた。悪魔の尿溜の妖気に、森の掟に従わされ、よしんば生きていても遠い他界の人だ。不思議とマヌエラには一滴の涙もでなかった。
彼女はなかに、もう一通同封されている英軍測量部の手紙をとりあげた。
敬愛するお嬢さま――同封の書信を、お送りするについて、一奇譚を申しあげねばなりません。それは、この発信地のヌヤングウェのポスト下には、同封の書信を握りしめた異様な骸骨が横たわっていたのです。それは、丈が四フィートばかりで、人間とも、類人猿ともつかぬ不思議なものでありました。当地は、おそろしい蟻の繁殖地で、朝の死体は夕には、肉はおろか骨の髄まで食われてしまうのです。ただ、その骸骨が不思議なものであっただけに、その旨を御興がてらに申し添えて置きます。
ドドだ! マヌエラは、大声でさけんだ。
ドドは、ヤンと一緒に陥没地へ落ちたが、やはり生きていたのだ。