Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
では、そのミュンツァ博士の通信は、戯れか狂気沙汰か※(疑問符感嘆符、1-8-77)
「僕は、その意味がいまだに分りません。もっと、上等な頭で考えたら分るのかもしれないが、僕にはどうも投げ出すより仕様がない。で、その無電はそれで切れました。あとは、待てど暮せど、なんの音沙汰もない。仕方なく、僕は父をあきらめて、その峡湾を出ていったのです」
「なるほど、お父さんのミュンツァ博士は、死を確認されている」
と、折竹が沈んだ顔をして、呟いた。
しかしその時、彼の胸をサッとかすめた一抹の疑問。ことによったら、博士は「冥路の国」の不思議な手に、狂人となっていたのではないか。死体が、橇を駆るように招かれてゆく途中、あの奇怪な無電をうったのではないか※(疑問符感嘆符、1-8-77) しかし、その考えはその場かぎり消え、彼は、別のことを訊きだした。
「時に、クルト君は僕以外のものに、この話をしたことはないかね」
「あります、ただ一人だけです。それは、一昨年父をさがしに、グリーンランドへ行ったのです。その時、あの奇獣の鯨狼をつかまえた。だが、その探検も結局空しくおわり、僕は全財産を摺り結核にまでなって、とうとうこのイースト・サイドへ落ちこんだ。