Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
その数日後、彼はロングウェル氏に逢った。しかし、加害者の見当についても直接証拠のないかぎり、ここの、州刑法ではどうにもならない。ただ、クルトの死を無駄にさせたくない――この点では完全な一致をみたのだ。
ルチアノ一味を、向うにまわして「冥路の国」を踏破する。怪無電の謎を解き魔境征服という以外にも、不義の徒に対する烈々たる敵愾心。まず、彼らの策動を空に終らせることが、この際クルトへのなによりの手向けだろう。と、いよいよ「冥路の国」探検ということになった。
がその間、彼はおのぶサンの来訪を頻繁にうけていた。
「ちょいと、あたし……また来たわよ」といった具合で、まい日のようにやって来る。折竹も、三度に一度はうるさそうな顔をするが、こういう時も、
「お邪魔はしないわよ。あたしに関わず、お仕事をやって」と言う。そして何時までも、折竹の向う側にかけていて、雑誌などを見ながらもちょいちょいと彼をみる、その目付きは唯事ではない。折竹も、このごろでは慄っとなっている。
また来たわよ、ご迷惑ねえ――と、言われるときのあの気持といったら、悪女、醜女も典型的なおのぶサン。三十六貫の深情かと思うと、胃のなかのものがゲエッと出てくるような感じ。