Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
はて、どうもこれは純粋の白人ではないな。と、思ったがなんの記憶もない。
「失礼ですが、奥さまとはどこでお目にかかりましたでしょうか」
「お忘れ?」
とその婦人は婉然とわらって、
「ロンドンでお目にかかったではございませんの」
「サア」
「あたくし、ザチでございますの」
晦冥国の女王、さっき、招かれざる賓客として乗り込んだのが、ザチだった。折竹はいよいよ捕まったかと思うよりも、夢のような気持で、
「僕がここへ来たことが、どうして分ったのです」
「そりゃね、あたくしにも知る方法がありますわ。あなたは、シャルジャーで旅客機をお下りになり、それからセルカークと此処へいらっしたのでしょう」
「ふうむ。よく」
と唸った陰にはやはりこいつはと、折竹は警戒を感じたのである。こういう顔は、よくコーカサス人や韃靼人の混血児にある。それが、晦冥国の女王なんて神話めいたことで、俺を釣ろうなどとは、大それた奴だ。きっと、ソ連の連中のなかじゃ、いい姐御だろう――と思うと気も軽々となり、
「いつぞや、僕の『大地軸孔』ゆきにご勧告がありましたね」
「ええ、ぜひそうお願いしたいと、思うのです。覗き穴のしたにわずか固っている、未開の可哀想な連中です。