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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

これには、さすがのダネックもあっと驚いた。まだ、あの山嶺の写真は一つしか発表してない。西側からのは、実をいうと写真にもとってないのだ。それを、万里の雲煙をへだてたヨーロッパにいて知るとは、なんという化物のような男だろうか。

ダネックが、打ちのめされたように茫然となっているところへ、ケルミッシュのもの静かな声が続く。

「これで、ダネック教授もお分りになったことと思う。私は、今次の探検についてあなたの協力を求める。いや、ぜひお力添えを得たいと思う。それに就いて……」

と言いかけたとき、バタンと扉があいた。西日が叢葉のすきから流れるなかへ金髪が燃え、ひとりの、白人女がふらふらと入ってきた。

「ああ、ケティ」ケルミッシュが、ちょっと眉をしかめ立ちあがって肩を抱いた。

見ると、金髪の色といい碧眼の澄みかたといい、一点、非のうちどころのないドイツ娘である。しかし、それ以外の部分はなんという変りかた※(疑問符感嘆符、1-8-77) 厚い唇をだらりと空けた様。

顔はだだ広く鼻は結節をなし、ほそい目の瞼がきりっと裂けている――まさに、このほうは完全な蒙古人だ。そのうえ、一目で白痴であるのが分るのだ。