Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

一夕、ケティをよんで飯を食わしたことがあるのです。

その席上、偶然私がとり出した『宣賓の草漉紙』をみてケティがなにやら音読のようなものを始めた。そこで私は、学校によんで録音をさせました。それから、時経てからまたケティに読ます。しかし、やはりなん度読ましても、おなじように読む」

「なるほど」ダネックが始めて相槌をうった。

「つまり、私は意味は分るが音読ができぬ。ところが、ケティは意味は分らぬが音読はできる。と、こんな工合で、はじめて『天母生上の雲湖』の言葉が完全に読めたわけです。ケティは蒙古型癡呆というよりも、天母型癡呆ですよ」

「すると」と折竹が口をはさんで、「きっと太古に、ヨーロッパへきた天母人の一族があったのでしょう」

「そうです。その血が、なんでいまの白人種に絶無といえるでしょう。ですから、私は東洋思想に溶けこんでいるせいか、有色人蔑視をやる白人種を憎みます。ナチスの浄血、アングロサクソンの威――かえって彼らは、じぶんらにある創成の血を蔑んでいる」

続いてケルミッシュは、いずれなにかの役にきっと立つと思うので、ケティを連れてきたといった。世界に一人、秘境「天母生上の雲湖」