Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

まったく、そのときの先生の驚きようといったらなかった。一眼鏡の、目をあけたままポカンと口をあけ、やっと経ってから正気がついたように、

「おう、有尾人!」と唸るように呟いた。

それは、全身を覆う暗褐色の毛、丈は四フィートあるかなしかで子供のようであり、さらに一尺ほどの尾が薦骨のあたりからでている。といって、骨格からみれば人間というほかはないのだ。しかし、頭の鉢が低く斜めに殺げ、さらに眉のある上眼窩弓がたかい。鼻は扁平で鼻孔は大、それに下顎骨が異常な発達をしている。仔細に見るまでもなく男性なのである。

それはまあいいとして、この有尾人からは、山羊くさいといわれる黒人の臭いの、おそらく数倍かと思われるような堪らない体臭が、むんむん湿熱にむれて発散されてくる。アッコルティ先生は、ハンカチで鼻を覆いながらじっと目を据えた。

「ふむ、温和しいらしい。ときに、君らには懐いているかね」

「ええ、そりゃよく」とカークが煙草の輪を吐きながら答えた。

「すると、これを獲ってから大分になるんだね」

「いいえ、此処へきてまだ七日ばかりですよ。第一ドドが、僕の手に落ちてから二週間とはなりません」