Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうもしませんよ。僕は、相変らずの僕ですが」

「いいえ、ちがっています。まえは、そんな冷ややかな七郎ではありませんでした。女は、そんな点にはいちばん敏感ですのよ。ねえ、なにか、お気に障るようなことがあって?」

すると、座間がまた迷うのである。それまでは、ヤンとあの夜の狂態はなんだと、彼はマヌエラに瞋恚の念を燃やしていた。それが、こうして見ている、初々しさ……たどたどしさ。なんだかじぶんのほうが思い過しのような、座間にはそんな感じさえしてくる。

あれ以後、ヤンとマヌエラのあいだは非常に外々しいものだった。少なくとも、ああしたことは一度だけらしく、翌日は、ヤンが根城にしようとした総合病院化を、父にすがって一蹴してしまったのである。これにはヤンも座間と同様おどろいたことだろう。しかし、彼は一夜の甘味をけっして忘れるような男ではない。どんなに白眼視され相手にされなくても、またのチャンスを狙いながら探検隊をはなれなかったのである。

まったくマヌエラには、座間もヤンもおなじ考えにちがいない。不思議な女だ、二重人格かドドの所業かと……、ヤンが、鉄面皮を発揮して探検隊に加われば、座間はあれこれと非常に迷いながらも頑固な壁をマヌエラに立てつづけているのだった。