Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

「で、そのグラン・チャコのなかに“Pilcomayo”という川がある」とカムポスが淀みなく続けてゆく。

「それは、フォルモサの密林の北をながれて、ながらくパラグァイ、アルゼンチン両国の境界争いの場所だったことは、諸君も知っておることだろう。たがいに、川の南北に陣どって堡塁をきずき、いまなお一触即発の形勢にある。では、その境界争いはなんのために起ったか。貪ろうとしたのか? それとも、条文の不備か? 何のためかというに、それは、このピルコマヨという化物のような、じつに不可解千万な川のために起っている。

で諸君、諸君はこの川が貫いている“EsterosdePatino”すなわち『パチニョの荒湿地』なるおそろしい場所を知っているかね。いや、ブラジルには通り名がある。パチニョというよりも『蕨の切り株』――。俺はその名を知らんとはいわさんぞ」

パチニョの荒湿地、一名「蕨の切り株」――それには、また人々の中がザッとざわめき立ったほどだ。読者諸君も、蕨の切り株とはなんて変な名だろうと、ここで大いに不審がるにちがいない。蕨といえば、太さ拇指ほどもあれば非常な大物である。