Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme
しかし泥中で生き水底で呼吸のできる、人間というのがあるべき訳はない。と、半ば信じ半ば疑いながら、まったくその一日は夢のように送ってしまったのだ。すると翌日、顔をまっ蒼にした二人の隊員が、教授の天幕へバタバタと駆けこんできた。
聴くと、「蕨の切り株」へいって蝦類を採集していると、ふいに泥のなかへ男の顔が現われた。それは、まるで日本の能面にあるような顔で……びっくり仰天した私たちの様をみるや、たちまち泥をみだして水底に没してしまったというのだ。これでいよいよ、水棲人の存在が確認された。教授はそれに、沼底棲息人と学名さえつけたのだが、あまりに、想像を絶するような途方もないことなので、かえって世界の学会から笑殺されてしまったのである。
こうして「蕨の切り株」はちらっと戸端口をのぞかせたまま、むしろ妖相を増し再び謎となったのである。ところがここに、世にも可怪しな話といえば必ず選ばれるような、水棲人を三度目に見たものが現われた。それが、余人ではないカムポス。
「俺は去年、パラグァイ軍の志願中尉をやっていた。まったくあの国は、学歴さえあれば造作なく士官になれる。