Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

それだのに、何百尺ゆけば底がみえるかもしれぬ泥のなかへ、潜水器も付けず潜ってゆけとは※(疑問符感嘆符、1-8-77) しかし、折竹といえば名だたるエキスパート。あるいはと、折竹の命にしたがった二人が危なげに浮き木をわたり、最終点の「五本の大蕨」へきた。そこで、最後の言葉を折竹がいった。

「沼の底へゆくということは依然として変らない。二人は、いっさいなにも考えず、私のとおりにする。私が、飛びこんだ個所へ、躊躇せずに飛びこむ。いいか」

そういって、折竹は大きく息を吸った。日没の、血紅の雲をうつしてまっ赤に染った沼土は、さながら腐爛物のごとく毒々しく美しい。と、彼のからだがスイと浮き木を離れ、ずぶりと泥にはまったかと思うと、たちまち見えなくなった。二人は、相次いで飛びこんだ。すると、泥のために息詰まるような苦しさが、ほとんど一、二瞬間後には消え、はっと空気を感じた。おやっと、息を吸えば肺に充つる嬉しさ。

「折竹さん、ここ、何でしょう? どこに、いらっしゃいますの?」ロイスが、あまりといえばあまりなこの不思議に、漆黒の暗のなかで折竹に声をかけた。腐土のにおいと湿った空気。