Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんレコード
人間レコード
夢野 久作
Lesen Sie 人間レコード (にんげんレコード) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.936 Zeichen · 20 Bildschirme
トランク、信玄袋、亀の子煎餅、バナナ籠、風呂敷包み……その下から出て来た、ビラの付かないズックの四角い鞄の中から受話器を取出して耳に当てた。そこへ帰って来た青年ボーイが身体で入口を蔽いながら笑った。
「馬鹿……見付かったらドウする」
少年ボーイは顔を真赤にした。慌てて受話器をズック鞄の中へ返したが、その眼は好奇心に輝いていた。
「何か聞こえるかい」
「ええ。あの爺のイビキの声が聞こえます。すこしイビキの調子が変ったようです」
「コードの連絡の工合はいいな」
「ええ上等です。あの豆電燈のマイクロフォンも、この部屋へ連絡している人絹コードも僕の新発明のパリパリですからね」
「ウン。今度のことがうまく行けばタンマリ貰えるぞ」
「ええ。僕は勲章が欲しいんですけど……」
「ハハ。今に貰ってやらあ……オット……モウ十分間過ぎちゃったぞ。それじゃもう一回注射して来るからな……録音器は大丈夫だろうな」
「ええ。一パイの十キロにしておきました。心配なのは鞄の内側の遮音装置だけです」
「ウム。毛布でも引っかけておけ。モトの通りに荷物を積んどけよ」
「聞いちゃいけないんですか。人間レコードの内容を……」