Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんせいぞう
人間製造
国枝 史郎
Lesen Sie 人間製造 (にんげんせいぞう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.606 Zeichen · 22 Bildschirme
三
が併し彼は室の横手に黒い垂幕が掛かっていて、幕の背後にも室があり、たった今彼に呼びかけた、若々しい美しい女の声はその室から来たのだということが、直覚的に解かって来た。
「やっと人間にありついたぞ」
……彼は俄に安心し、いくらか肝も大きくなった。化物屋敷で人間と逢う! 地獄で仏に逢ったようなものだ。で、彼はつかつかと、隣室の前まで走って行き入口の垂幕を引き開けた。
「へい、私でございますが、何かご用でございますか?」
三
彼の這入って行った其室は、鳥渡予想に反していた。壁も天井も床板も悉皆純白に塗られている。真中に置いてある寝台だけは鉄製の堅固の物であったが、その上に寝ている人間の上には矢張り白布が掛けてある。そして寝台の左右には二人の男女が立っていたが、是も白い手術服を纏っている。男は外人で其頭髪は、麻のように白かった。鷲のような高い鼻。鼻下の髭さえ真白である。鋭い大きい緑色の眼、洋人特有の淡紅色の皮膚。――そして其外人は中肉ではあったが非常に身長は高かった。
女の方は日本人で、これも身長は高かったが、肉附は大変悪かった。しかし容貌は美しかった。ただに美しいというよりも、夫れは無類に蠱惑的であった。