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Japanische Klassiker mit Furigana

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にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

Lesen Sie 人間豹 (にんげんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.989 Zeichen · 311 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやだわ、あの人、さいぜんからあたしの顔ばかり見ているのよ。ほら、あの葉蔭から、大きな眼で、あたしの方をじっと見つめているのよ。気味がわるいわ」

なにげなくその方を見ると、なるほど、シュロの葉の隙間に、蛍火のように異様に光る眼が、猫が鼠を狙う感じで、射るように弘子に注がれている。

「あれ初めての人?」

「ええ、そうよ。あんな人見たことないわ」

「失敬なやつ」

神谷は聞こえよがしに舌打ちして、相手の眼を睨みつけたが、すると、先方でもそれに気づいて、鋭い視線を神谷に向けた。

「なにくそ、まけるもんか」

と彼は酔っていたので、睨みっくらでもする気になって、じっと眼をすえて、しばらく睨み合っていると、不思議なことには、相手の眼中の蛍火がだんだん強く輝きだし、しまいには眼の前一杯に、えたいのしれぬ妖光がひらめき渡って、クラクラと眼まいを感じないではいられなかった。そしてなんともいえぬ悪寒が頸筋をゾーッと這いまわった。

「あんなやつ、気にするのよそうよ。君も向こうを見ないでいる方がいい、あいつどうかしているんだよ。あたり前の人間じゃないよ」

「ええ、じゃあ、もう見ないわ」