Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

のびじたく

伸び支度

島崎 藤村

Lesen Sie 伸び支度 (のびじたく) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.120 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

袖子が風邪でも引いて学校を休むような日には、彼女の枕もとに足を投げ出し、いつでも笑ったような顔をしながらお伽話の相手になっていたのも、あの人形だった。

「袖子さん、お遊びなさいな。」

と言って、一頃はよく彼女のところへ遊びに通って来た近所の小娘もある。光子さんといって、幼稚園へでもあがろうという年頃の小娘のように、額のところへ髪を切りさげている児だ。袖子の方でもよくその光子さんを見に行って、暇さえあれば一緒に折り紙を畳んだり、お手玉をついたりして遊んだものだ。そういう時の二人の相手は、いつでもあの人形だった。そんなに抱愛の的であったものが、次第に袖子から忘れられたようになっていった。そればかりでなく、袖子が人形のことなぞを以前のように大騒ぎしなくなった頃には、光子さんともそう遊ばなくなった。

しかし、袖子はまだ漸く高等小学の一学年を終わるか終わらないぐらいの年頃であった。彼女とても何かなしにはいられなかった。子供の好きな袖子は、いつの間にか近所の家から別の子供を抱いて来て、自分の部屋で遊ばせるようになった。数え歳の二つにしかならない男の児であるが、あのきかない気の光子さんに比べたら、これはまた何というおとなしいものだろう。