Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えせものがたり

似而非物語

山本 周五郎

Lesen Sie 似而非物語 (えせものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.817 Zeichen · 64 Bildschirme

Aozora Bunko

肩を叩く者もあるし足腰を揉んでくれる者もある。それを黙って、されるままになっていればいい。横の物を縦にする必要もない、というのであった。

「だとすれば」

杢助が云った。

「うう、そのなんとかという、その伝授とかいうことは、いってえどうなるだね」

「それは修業者自身の問題である、道の秘奥というものは譬えようのないものであって、能力のある者は教えずとも会得するし、その能力のない者は終生やってもだめなものだ」

「だとすれば、どうしてまたわざわざおまえさんのとけえやって来るだね」

杢助が不審を打った。

「つまり鰯の頭も信心というやつかね」

「たわけたことを云ってはいけない」

飯篠老人は哀れむように杢助を見た。

「ひと口に申すと、長威斎のもとで会得したとなれば、それでもう達人として天下に通用するし、仕官をするばあいにも食禄の高がちがう、などということはそのほうの知ったことではない、そのほうはわしの代りに草庵へいって、勝手気儘に楽寝をしておればよいのだ、わしはしんじつ遁世をしたいのだし、そのほうにとっても誂えたような役ではないか」

「おらが怠け者だつうことかえ」

「わしはまず村の者に云おう」