Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかん
俊寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.263 Zeichen · 33 Bildschirme
御主人はわたしが呆れたように、箸もつけないのを御覧になると、上機嫌に御笑いなさりながら、こう御勧め下さいました。
「どうじゃ、その汁の味は? それはこの島の名産の、臭梧桐と云う物じゃぞ。こちらの魚も食うて見るが好い。これも名産の永良部鰻じゃ。あの皿にある白地鳥、――そうそう、あの焼き肉じゃ。――それも都などでは見た事もあるまい。白地鳥と云う物は、背の青い、腹の白い、形は鸛にそっくりの鳥じゃ。この島の土人はあの肉を食うと、湿気を払うとか称えている。その芋も存外味は好いぞ。名前か? 名前は琉球芋じゃ。梶王などは飯の代りに、毎日その芋を食うている。」
梶王と云うのはさっき申した、兎唇の童の名前なのです。
「どれでも勝手に箸をつけてくれい。粥ばかり啜っていさえすれば、得脱するように考えるのは、沙門にあり勝ちの不量見じゃ。世尊さえ成道される時には、牧牛の女難陀婆羅の、乳糜の供養を受けられたではないか? もしあの時空腹のまま、畢波羅樹下に坐っていられたら、第六天の魔王波旬は、三人の魔女なぞを遣すよりも、六牙象王の味噌漬けだの、天竜八部の粕漬けだの、天竺の珍味を降らせたかも知らぬ。