Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかん
俊寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.263 Zeichen · 33 Bildschirme
もっとも食足れば淫を思うのは、我々凡夫の慣いじゃから、乳糜を食われた世尊の前へ、三人の魔女を送ったのは、波旬も天っ晴見上げた才子じゃ。が、魔王の浅間しさには、その乳糜を献じたものが、女人じゃと云う事を忘れて居った。牧牛の女難陀婆羅、世尊に乳糜を献じ奉る、――世尊が無上の道へ入られるには、雪山六年の苦行よりも、これが遥かに大事だったのじゃ。『取彼乳糜如意飽食、悉皆浄尽。』――仏本行経七巻の中にも、あれほど難有い所は沢山あるまい。――『爾時菩薩食糜已訖従座而起。安庠漸々向菩提樹。』どうじゃ。『安庠漸々向菩提樹。』女人を見、乳糜に飽かれた、端厳微妙の世尊の御姿が、目のあたりに拝まれるようではないか?」
俊寛様は楽しそうに、晩の御飯をおしまいになると、今度は涼しい竹縁の近くへ、円座を御移しになりながら、
「では空腹が直ったら、都の便りでも聞かせて貰おう。」とわたしの話を御促しになりました。
わたしは思わず眼を伏せました。兼ねて覚悟はしていたものの、いざ申し上げるとなって見ると、今更のように心が怯れたのです。しかし御主人は無頓着に、芭蕉の葉の扇を御手にしたまま、もう一度御催促なさいました。