Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかん
俊寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.263 Zeichen · 33 Bildschirme
これは琵琶法師も語る事ですが、その日もかれこれ暮れかけた時分、わたしはやっと俊寛様に、めぐり遇う事が出来ました。しかもその場所は人気のない海べ、――ただ灰色の浪ばかりが、砂の上に寄せては倒れる、いかにも寂しい海べだったのです。
俊寛様のその時の御姿は、――そうです。世間に伝わっているのは、「童かとすれば年老いてその貌にあらず、法師かと思えばまた髪は空ざまに生い上りて白髪多し。よろずの塵や藻屑のつきたれども打ち払わず。頸細くして腹大きに脹れ、色黒うして足手細し。人にして人に非ず。」と云うのですが、これも大抵は作り事です。殊に頸が細かったの、腹が脹れていたのと云うのは、地獄変の画からでも思いついたのでしょう。つまり鬼界が島と云う所から、餓鬼の形容を使ったのです。なるほどその時の俊寛様は、髪も延びて御出でになれば、色も日に焼けていらっしゃいましたが、そのほかは昔に変らない、――いや、変らないどころではありません。昔よりも一層丈夫そうな、頼もしい御姿だったのです。それが静かな潮風に、法衣の裾を吹かせながら、浪打際を独り御出でになる、――見れば御手には何と云うのか、笹の枝に貫いた、小さい魚を下げていらっしゃいました。