Japanische Klassiker mit Furigana
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げんろくじゅうさんねん
元禄十三年
林 不忘
Lesen Sie 元禄十三年 (げんろくじゅうさんねん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.586 Zeichen · 42 Bildschirme
さてこれに、血竭二羅度、焼酎十六度よりなる越幾斯にて、雲様の斑点を模彩す。かつ、あらかじめ原色料をよく乾かすよう注意、清澄たる洋漆を全面へ浴びせるべし。」
常磐橋の東の、石町一丁目にあって、御影堂として知られた、扇をつくる家だった。京都五条の橋の西の御影堂が本家で、敦盛の後室が落飾して尼になり、阿古屋扇を折って売り出したのが、いまに伝わっているといわれていた。おうぎ形の槻板に、大きく屋号を書いた招牌が、さがっていた。
そこの工作場だった。
扇工は、その、指南書のさきを読みつづけた。
「大理石の様模をあたうるには、随意ところの一色を塗り、これに脈理を施して天然のものに擬し、後に落古を被せて艶出しするを善とす――。」
そして、この式にしたがって、扇の骨に加工しているのだった。
それができ上れば、吉良の意に任す――それまでは、枕を交すことはできない、と、糸重が、難題として、吉良に持ちかけた扇子なのだった。
風流人をもって自ら許している吉良だった。この糸重の申し出を、面白い――と笑って、さっそく御影堂へ注文しないわけにはいかなかった。
義兄美濃守が、無事に饗応役を果すまで――それまでにでき上らない扇でさえあれば、何でもよかった。