Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lesen Sie 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.032 Zeichen · 158 Bildschirme
と聞くと、「あるもんですか。」とミタイエレが言う。直ぐにロイドと、彼等の寝室へ行った。パータリセは睡っている者のように見えたが、何かうわ言を言っている。時々、脅された鼠の様な声を立てる。身体にさわると冷たい。脈は速くない。呼吸の度に腹が大きく上下する。突然、彼は起上り、頭を低く下げ、前へつんのめるような恰好で、扉に向って走った。(といっても、其の動作は余り速くなく、ぜんまいの弛んだ機械玩具のような奇妙なのろさであった。)ロイドと私とが彼をつかまえてベッドに寐かしつけた。暫くして又逃出そうとした。今度は猛烈な勢なので、やむを得ず、みんなで彼をベッドに(シーツや縄で)括り付けた。パータリセは、そうやって抑え付けられた儘時々何か呟き、時に、怒った子供の様に泣いた。彼の言葉は、「ファアモレモレ(何卒)」が繰返される外、「家の者が呼んでいる」とも言っているらしい。その中にアリック少年とラファエレとサヴェアとがやって来た。サヴェアはパータリセと同じ島の生れで、彼と自由に話が出来るのだ。我々は彼等に後を任せて部屋に戻った。
突然、アリックが私を呼んだ。急いで駈付けると、パータリセは縛をすっかり脱し、巨漢ラファエレにつかまえられている。