Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lesen Sie 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.032 Zeichen · 158 Bildschirme
とは何か、といえば、それは、「私が最早一旅行者の好奇の眼を以てでなく、一居住者の愛著を以て、此の島と、島の人々とを愛し始めた」ということである。
兎に角、目前に危険の感じられる内乱と、又、それを誘発すべき白人の圧迫とを、何とかして防がねばならぬ。しかも、斯うした事柄に於ける私の無力さ! 私は、まだ選挙権さえ有っていない。アピアの要人達と会って話して見るのだが、彼等は私を真面目に扱っていないように思われる。辛抱して私の話を聞いて呉れるのも、実は、文学者としての私の名声に対してのことに過ぎない。私が立去ったあとでは、屹度舌でも出しているに相違ない。
自分の無力感が、いたく私を噛む。この愚劣と不正と貪慾とが日一日と烈しくなって行くのを見ながら、それに対して何事をも為し得ないとは!
九月××日
マノノで又新しい事件が起った。全く、こんなに騒動ばかり起す島はない。小さな島のくせに、全サモアの紛争の七割は、此処から発生する。マノノのマターファ側の青年共が、ラウペパ側の者の家を襲って焼払ったのだ。島は大混乱に陥った。丁度、裁判所長が官費でフィジーへ大名旅行中だったので、長官のピルザッハが自らマノノへ赴き、独りで上陸して(此の男も感心に勇気だけはあると見える)暴徒に説いた。