Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひかりとかぜとゆめ
光と風と夢
Lesen Sie 光と風と夢 (ひかりとかぜとゆめ) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.032 Zeichen · 158 Bildschirme
クイクイを片付けてから、野生のライムにかかる。棘と、弾力ある吸盤とに、大分素手を傷められた。
十時半、ヴェランダから法螺貝が響く。昼食――冷肉・木犀果・ビスケット・赤葡萄酒。
食後、詩を纏めようとしたが、巧く行かぬ。銀笛を吹く。一時から又外へ出てヴァイトリンガ河岸への径を開きにかかる。斧を手に、独りで密林にはいって行く。頭上は、重なり合う巨木、巨木。其の葉の隙から時々白く、殆ど銀の斑点の如く光って見える空。地上にも所々倒れた巨木が道を拒んでいる。攀上り、垂下り、絡みつき、輪索を作る蔦葛類の氾濫。総状に盛上る蘭類。毒々しい触手を伸ばした羊歯類。巨大な白星海芋。汁気の多い稚木の茎は、斧の一振でサクリと気持よく切れるが、しなやかな古枝は中々巧く切れない。
静かだ。私の振る斧の音以外には何も聞えない。豪華な此の緑の世界の、何という寂しさ! 白昼の大きな沈黙の、何という恐ろしさ!
突然遠くから或る鈍い物音と、続いて、短い・疳高い笑声とが聞えた。ゾッと悪寒が背を走った。はじめの物音は、何かの木魂でもあろうか? 笑声は鳥の声? 此の辺の鳥は、妙に人間に似た叫をするのだ。