Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
「おお、そうか、それならよい」
ズイと北山は立ち上がった。「今後招いても来てはやらぬぞ」
「…………」
「貴公、死相が現われておる。取り殺されるも長くはあるまい」
「わッ」と突然紋兵衛は畳の上へ突っ伏したが、
「お助けくだされ北山様! お願いでござります天野先生! 殺されるのは嫌でございます! 申します申します、何んでも申します!」
「おお云うか。云うならよい。天野北山聞いて遣わす。そうして病気も癒してやる……何をやって金を儲けた?」
「はいそれは……」
と云いかけた時奥の襖がスーと開いて若い女が現われた。紋兵衛の娘のお露である。
「お父様」と手を支え、「只今お城のお殿様からお使者が参りましてござります」
「お使者?」
と紋兵衛は不思議そうに、「ハテなんのお使者であろう?」
「ご病気見舞いだとおっしゃられました」
「どんなご容子のお方かな?」
「はい」とお露は面羞ゆそうに、「お若いお美しいお侍様で」
「さようか、そうしてお名前は?」
「鏡葉之助様と仰せられました」
一三
妖怪退治の命を受け、城を退出した葉之助は、小原村二本榎、大鳥井紋兵衛の宏大な邸を、供も連れず訪れた。