Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
「いかさまこれは水狐族であろう。水狐族なら祟る筈だ」
「そうだこれは祟る筈だ。彼奴らが永い間守り本尊として守護をして来た湖水の石棺を引き上げようとしたのだからな」「彼奴らの仲間には眼の覚めるような美しい女がいるという事だ」「しかもあいつらは魔法使いだ」「その上恐ろしく執念深い」「偉い物に魅入られたぞ」「若殿のお命もあぶなかろう」「お助けせねば義理が立たぬ」「臣下として不忠でもあろう」「しかしいったいどうしたらいいのだ?」「何より先に行ることは女の在家を突き止めることだ」
「しかしどうして突き止めたものか?」
「誰が一番適任かな?」
「拙者突き止めてお眼にかける!」
こう豪然と云った者がある。佐分利流の槍術指南右田運八無念斎であった。
「お、右田殿か、これは適任」
「さよう、これは適任でござる」
人々は同音に煽り立てた。「是非ともご苦労願いたいもので」
「よろしゅうござる、引き受け申した。たかが相手は水狐族の娘、拙者必ず槍先をもって悪魔退散致させましょう」
――で、運八はその日の夜、手慣れた槍を小脇に抱え、城の奥殿若殿のお部屋の、庭園の中へ忍び込み、様子いかにと窺った。