Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

棺! 棺! 水葬礼! 彼らは頼正の死骸を棺の中へぶち込んでそれを湖水へ沈めるのらしい。それが目前に逼っている!

「これはこうしてはいられない」

葉之助は足擦りした。とたんにガチャンと音がした。彼は何物かに躓いたのである。ハッと思ったが遅かった。棺造りの水狐族が四人同時に立ち上がり、ムラムラとこっちへ走って来る。

「もうこうなれば仕方がない。一人残らず討ち取ってやろう」

突嗟に思案した葉之助は、そこに立っていた杉の古木の驚くばかり太い幹へピッタリ体をくっ付けた。

それとも知らず水狐族は四人塊まって走って来る。

二八

眼前三尺に逼った時、葉之助の手はツト延びた。真っ先に進んだ水狐族の胸の真ん中を裏掻くばかり、平安朝型の長槍が、電光のように貫いた。ムーと云うとぶっ倒れると、もう槍は手もとへ引かれ、引かれたと思う隙もなく、颯と翻った石突きが二番目の水狐族の咽喉を刺す。ムーと云ってこれも倒れる。敵ありと知った後の二人が、踵を返して逃げようとするのを追い縋って横撲り、一人の両足を払って置いて、倒れるのを飛び越すと、最後の一人を背中から田楽刺しに貫いた。