Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
彼に呼びかけているのであった。
「鏡殿、葉之助殿」
それは男の声であった。
そうして確かに聞き覚えがあった。
そこで葉之助は返辞をした。
「どなたでござるな。え、どなたで?」
「一学でござる。前田一学で」
「おっ」と葉之助はそれを聞くと、助かったような気持ちがした。「さようでござるか、前田氏でござるか。……それにしてもこれはどうしたことで」
「生き埋めにされたのでございますよ」
「生き埋め? 生き埋め? なんのために?」
「枯れかけた茴香を助けるために」
「ナニ、茴香を? 枯れかけた茴香を?」
「さよう」と一学の声が云った。「肥料にされたのでございます。……あなたばかりではございません。十数人の人間が。……人が来るようでございます。……しばらくお待ちくださいますよう」
六
そこでしばらく話が絶え、後はしばらく寂然となった。
と、また話し声が聞こえて来た。
「葉之助殿、お苦しいかな?」
「苦しゅうござる。早く出してくだされ」
「それが、そうは出来ませんので」
「ナニ出来ない? なぜでござるな?」
「まだ人達が目覚めております」
「ではいつここから出られるので?」