Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
白法師様を縛め取るための相談なのでございましょうよ」
「あっちへ行っても白法師こっちへ来ても白法師。どうやらお山は白法師のために荒らされているようでございますなあ」
諂うように微笑したが、
「私のためには結句幸い。何んとそうではございませぬかな」彼はそろそろと手を延ばして山吹の方へ近寄って行く。
「それはまた何故でございますの」
「だってそうではございませんか。こうしてたった二人きりで差し向かっていることの出来ますのもその白法師様のお蔭ですからな」
云いながら素早く山吹の手をギュッと握ったが、そこは初心の娘である。「あれ!」と仰山な金切り声を上げ握られた手を振り解いた。
「エヘヘヘヘ」
と笑ったものの多四郎は少なからずテレたものか、テレ隠しに盆の上の栗を摘んだ。
「ほほう大きな栗ですなあ」わざとらしく眼を見張る。
「よかったらお食りなさりませ」笑止らしく山吹はこう云った。「余り物ではございますけれど」
「へ、余り物とおっしゃると?」
「あの、お客がありましたのよ」
「あなた一人の所へね?」もう嫉妬からの詮索をする。
「ええ心やすい人ですもの。岩さんという方ですわ」
彼女は無邪気に云うのであった。