Japanische Klassiker mit Furigana
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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme
で、目を閉じて、見まいとしていました。
そのうちに、待ち通しかった夜が明けかかった。花は、うなされながらも、いくらかは眠ったような気持ちもしました。しかし頭は重かったのであります。
花は、あたりが明るくなると、自分の体の上に止まっていた、黄色な蛾が、いないのに気づきました。そればかりでなく、頭を上げて、あたりを見まわしますと、あれほどたくさんに飛んできた蛾が、影も形もないのに驚いたのであります。
「昨夜のは、みんな夢だったろうか?」と、花は、怪しまざるを得なかったのでした。
敏捷で、自由で、怜悧で、なんでもよく知っているみつばちは、きっと昨夜のできごとも知っているであろう。はやく、みつばちが、やってきてくれないものかと、花は、待っていましたが、その日は、みつばちはついにきませんでした。
高原に生まれた花は、この街の中にきてから体がたいそう弱りました。朝晩、冷ややかな露を吸わないだけでも、元気をなくした原因だったのでした。それに、むし暑い日がつづいたので、頭までがいきいきとせずに重くあったのです。
とこなつの花は、高原にいて、あの寒い、雪の積もる冬にあうことをおそれましたが、ここにきてから、こんなに早く体が弱ってしまっては、秋を待たずに枯れてしまうようにさえ思われました。