Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
Lesen Sie 内蔵允留守 (くらのすけるす) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.082 Zeichen · 24 Bildschirme
「お早うございます、いま弥助どのが見えていたのではありませんか」
「いま帰ってゆきました」老人は可笑しそうに喉で笑った、「……面白い話を聞きましたよ、お留守宅にいたあの浪人共が、ゆうべ夜中に銭を掠って逃げたということでございます」
「……銭を掠って」虎之助は眉をひそめた。
「留守中に修業者が来て、路用に困る者があったら自由に持たせてやれと、通宝銭がひと箱置いてあったのです、今日まで一文も手を付けた者は無かったのですが、あのやまだち共、それを掠って逃げたのだそうでございます」
「なんと、見下げ果てたことを」
「いや、あれがこの頃の流行でございますよ」老人は茶碗を下に置き、眼を細めて栗林の方を見やりながら云った、「別所先生を尋ねて来るお武家方で、本当に修業をしようという者がどれだけあるか、多くは先生から伝書を受け、それを持って出世をしよう、教授になって楽な世渡りをしよう、そういう方々ばかりです」
「それは先生が仰しゃったのか」
「百姓にも百姓の眼がございます」老人は静かに片手で膝を撫でながら、「……たとえば岡田さま、貴方にお伺いいたしまするが、貴方さまはなんのために先生を尋ねておいでなさいました」