Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くらのすけるす

内蔵允留守

山本 周五郎

Lesen Sie 内蔵允留守 (くらのすけるす) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.082 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

隠居はしたが労働が身に付いているので、安閑と遊んでいることができず、果樹を育てたり、少しずつ耕地の開墾をしているのだということだった。――死ぬまでには一町歩も拓けましょうかな。老人はそう云って笑った。

「お祖父さんと二人きりでは淋しくはありませんか」

「ええ淋しゅうございますわ」奈美は素直に頷いた、「……ですから、岡田さまがいつまでも泊っていて下さるといいと思いますの」

「別所先生がお帰りになるまでは、三月でも半年でも御厄介になっていますよ」

「嬉しゅうございますわ」娘は大きく眼を瞠りながら、「……先生のお留守宅に厭な浪人たちが来ていますでしょう、お祖父さまと二人きりですから心配でしようがなかったのですけれど、岡田さまがいて下されば安心ですわ」

「それでは番人という役ですね」

「いいえ、いいえ、そんな積りで申したのではございませんわ、ただ心丈夫だと思ったものですから」

「やっぱり同じことですよ」笑いながら二人は家に入った。

夏菜の汁と粟飯との朝食が済むと、娘は支度を改めて荒地へ出ていった。……独り残った虎之助は、さてなにをするという事もなく、縁先へ出てぼんやり野の方を見ていたが、やがて立上ると、家の周囲を見に出掛けた。