Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

浅香 ありがとうございます。(くちびるをかむ)

村萩 そんなに気に留めなくてもいいことよ。ではまた寄せてもらいます。(立ち上がる)

浅香 まあ、いいではありませんか。

村萩 いずれまた。花合わせにのぼせてまだ夕方の身じまいもしていませんから。

浅香 そう。ではまたいらしてください。

村萩退場。浅香、ちょっとぼんやりする。それから花合わせを箱に入れる。それからまた考え込む。やがて気を替えたように立ちあがり、鏡台の前に行きてすわる。

浅香 (鏡を見つつ)ほんとに少しやせたようだ。(頬に手を当てる)やせもするだろうよ。(鏡台の引き出しから櫛を出して、髪をなでつける)このようにしてなんのために身じまいをするのだろう。自分をもてあそびに来るいやな男――自分の敵に媚びるために自分の顔形を飾らなくてはならないとは! いや、今ではもうそのような事を考えなくって、ただ習慣で、夕方ごとに鏡に向くのだ。それも自分の色香に自信があった間はまだよかったのだけれど。(間)髪の毛の抜けること。(櫛から髪の毛を除く)弱いからだを資本にして、無理なからだの使い方をして働けるだけ働き抜いて、そして働けなくなったら――(身ぶるいする)えゝ、考えまい。