Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

唯円 (じっとしていられぬように庭をあるく)橘様の御殿医のお診察も侍医のお診察も同じことなのだ。寿命のお尽きとあきらめられよとのお言葉なのだ。

勝信 なんとかしてとりかえすてだてはないのでしょうか。

唯円 それどころではない。きょうかあすかも知れないのだそうだ。

勝信 え。そんなことはありますまい。(自分の考えを信じようとするように努力しつつ)お話などおきげんよくあそばすのですもの。

唯円 それが前ぶれなのだそうだ。消えかかる灯火がちょっと明るくなるようにな。もうお脈搏がおりおりとぎれるのだそうだ。いつ落ち入りあそばすかも知れない。無病で高齢のかたの御最後は皆そのようなふうのものだから、たのみにはならないとおっしゃった。もうあきらめて、ひたすら、思い残しのない御臨終を……

勝信 おゝ、私に代わられるものなら!

唯円 私もいく度そう思ったろう。だがそれもかいないことだ。お師匠様はもうとくに御覚悟あそばしていらっしゃる。もう仏さまに召されるのだとおっしゃってな。

勝信 ほんにこのごろはお話もことに細々として来たようでございます。そして御臨終の事が気になっていらっしゃるようでございますよ。