Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme
私は女の呪いが胸の底にこたえて夢中で山の上まで帰った。その夜はまんじりともしなかった。それからというものは私は女も救われなくてはうそだという気が心から去らなくなった。私は毎夜毎夜六角堂に通って観音様に祈った。夢中で泣いて祈った。私は死んでもよいと思った。私はそのころからものの見方がだいぶ変わって来だした。山上の生活をきらう心は極度に達した。私は六角堂から帰りによく三条の橋の欄干にもたれて往来の人々をながめた。むつかしそうな顔をした武士や、胸算用に余念の無さそうな商人や、娘を連れた老人などが通った。あるいは口笛を吹きながら廓へ通うらしい若者も通った。私はどんなに親しくその人たちをながめたろう。皆許されねばならないような気がした。世の相をあるがままに保っておくほうがよいという気がした。「このままで、このままで」と私は心の中に叫んだ。「みんな助かっているのでは無かろうか」と。山へ帰っても、もはや、そこは私の住み家ではない気がした。
唯円 その時法然聖人にお会いなされたのですね。
親鸞 まったく観音様のおひきあわせだよ。私は法然様の前で泣けて泣けてしかたがなかったよ。