Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme
ねえさんたちがたくさんいらっしゃるではありませんか。
善鸞 いやお前でなくてはいけないのだ。
太鼓持ち さあ、所望じゃ、所望じゃ。
かえで しょうがないのね。(子供らしい声で歌う)
浅香三味線をひく。
萩、桔梗、なかに玉章しのばせて、
月は野末に、草のつゆ。
君を松虫夜ごとにすだく。
ふけゆく空や雁の声。
恋はこうした……
善鸞 もうよい。もうよい。(堪えられぬように)おゝ、あの口もとの小さなこと。
浅香 (まだ三味線を持ったまま)まあ、不意に途中でお切りなさるのですもの。
善鸞 見てやってください。この小さい子を。よその荒男が歌をうたえと責めまする……(涙ぐむ)も一つおあがり。(かえでに杯をさす)
かえで もうたくさん。
太鼓持ち (女の声色を使う)私がすけてあげましょうわいな。(かえでの前の杯を取って飲む)
浅香 きょうのあなたはどうかしていらっしゃるのね。
善鸞 いやどうもしてはいないよ。
浅香 きょうはもうよしましょうよ。お顔色もよくありませんよ。私少しも騒いだりする気になれないわ。
善鸞 さびしい事を言う女だな。(浅香の顔をじっと見る。やがて急に浅香の前髪の中に手を突き込む)