Japanische Klassiker mit Furigana
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はじめてちちぶにはいったころ
初めて秩父に入った頃
木暮 理太郎
Lesen Sie 初めて秩父に入った頃 (はじめてちちぶにはいったころ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.522 Zeichen · 5 Bildschirme
私どもの秩父行は、明治四十二年五月の雲取山、十月の甲武信岳登山から始まったと称してよい。尤も私は二十九年に金峰山に登って川端下に下り、十文字峠を踰えて栃本に出たことがあり、又故荻野音松君は三十九年に川浦から国師岳に登り、金峰山迄縦走して黒平に下っている、恐らく之が登山者として奥秩父山脈縦走の最初であったろう。此時荻野君は国師岳を前人未蹈の深山であろうと信じていたところ、古くから開かれていた山であったので、意外に感じて失望したと其紀行に書いてある。飛竜山や雲取山も亦信仰的登山者のあることを登山の際に初めて知ったが、其他の山殊に谷筋は、人跡極めて稀であり、山行の度毎に未知の山や谷を発見して、新しい収穫の多いのを喜んだのであった。
此等の山旅は甲武信岳に登った時の外は、案内者も人夫も連れなかったので、少なからず不安に襲われたが、また大なる経験ともなった。中にも国師甲武信間の縦走、東沢の遡上などは、其時の困難と苦心とが今も強い印象となって残っている。しかし決して無謀の挙に出なかったことが、遭難を免がれしめたものであると信ずる。西は金峰山から東は雲取山に至る連脈を四つか五つに区切って、先ず其間に於ける主要なる二、三の峰に登り、次で各区間の縦走に移り、大体の地勢に通じた後、金峰から雁坂に至る長い縦走や沢歩きを決行