Japanische Klassiker mit Furigana
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はつこい
初恋
矢崎 嵯峨の舎
Lesen Sie 初恋 (はつこい) von 矢崎 嵯峨の舎 (やざきさがのや) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.226 Zeichen · 39 Bildschirme
今日も今日とて裏庭へ出て、目指す的と捲藁を狙ッて矢数幾十本かを試したので、少し疲れを覚えて来たゆえ、しばし一息を入れていると冷や冷やとして心地よい朝風が汗ばんで来た貌や、体や、力の張ッて来た右の腕へひやりひやりと当るのが実に心持のよいことであッた。誰でも飢えた時渇いた時には食物や水がうまいものであろうが、その時の朝風は実にその食物や水よりもはるかに心持よく、自分は気が清々として来た。自分は弓杖を突いて……というのも凄まじいがいわゆる弓杖を突いて、あたりに敵もいないのに、立木を敵と見廻してきっとして威張ッていた。突然二ツの影法師が自分の頭上を越えて目の前に現われた,自分はふり返ッて娘と姉とを見た。
娘は足を止めて、感心に御精が出ますこと、と賞めそうな風でにっこりして清しい目を自分に注いでいた,自分は目礼をして、弓を投げ棄てて姉の傍へ往ッた。
「大層御精が出ますことねエ」はたして娘が賞めた。
「どうしてあなた。叱られてばかりいます、精を出しませんから」
娘がせっかく賞めたものを、姉がよけいな口をさし入れた、自分は不平に思ッた,しかし姉はさすがに姉で、情のあッたもので、弟の賞められたのが嬉しかッたと見えて、にっこりして,「それでもあなた、出来ないくせに大変に好きで」