Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はつたびのだいぼさつれんれい
初旅の大菩薩連嶺
木暮 理太郎
Lesen Sie 初旅の大菩薩連嶺 (はつたびのだいぼさつれんれい) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.508 Zeichen · 19 Bildschirme
肝心な提灯は山の上に置き忘れて来たことに気が付く。裸蝋燭は手元が明るく脚元は反って暗い、其上直ぐ風に消されてしまう。月の出を待つのは徹夜するも同じことだ。どんなことがあっても尾根筋を離れまいと覚悟して、たどたどしい歩みを続けた。何度そば路を踏みはずして落ちたことだろう。疲れるのでよく休んだ。それでも何処をどう通ったのかは知らないが、終に木立のない山ひらのいい道に出た、そして大菩薩峠の道に合して、小菅の宿屋に着いた時は九時を少し過ぎていた。実に三時間余りも闇の中で苦しめられたのである。後に考えると、恐らく山葵谷の三角点から東南に曳いている尾根を辿って、三角点一三一四・六の西に在る一三二〇米の圏から東南に延びた枝尾根の西側を下り、北都留とある北の字の西方で小菅道に合したものであろうと思う。今ならば一日でも決行し得られる旅程に四日もかかったことを思うと、僅に十五年前でありながら全く隔世の感に堪えないのである。
二十六日。佐野峠から大菩薩連嶺を写して置こうというので、猿橋へ出ることにきめて、午前九時に出発した。この春丹波山からの帰途、田元であったか人家の庭に伊吹(柏心)があったのが珍しく、其産地を聞き質したところ、大菩薩の嶺だとのことに、是非探して見ようと話し合ったことなど、今また其木を見て思い出した。