Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はつたびのだいぼさつれんれい

初旅の大菩薩連嶺

木暮 理太郎

Lesen Sie 初旅の大菩薩連嶺 (はつたびのだいぼさつれんれい) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.508 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

二

のみならず自分等の考では、午後十一時飯田町発の汽車に乗れば、初狩駅に着くのは翌日の午前三時であるから、地図に記された道を辿れば、真木から焼山へ踰える峠の頂上へ出て山稜を北に分け登っても、午前九時遅くも十時には一九八七米五の三角点のある峰に達するであろう、さすれば午後二時若くは三時には大菩薩峠の道に出られるに相違ない、大菩薩岳への登攀は其時の模様次第として、其日の中に小菅なり丹波山なりへ下るのは敢て難事ではないと思った。物ごとが斯う考え通りに簡単に片付いて行けば全く世話はない。唯だ夜明けの遅くなった秋の日に午前三時とあっては提灯が必要であるが、それを提げて歩くのは厄介でないまでも、無くて済めば夫れにこしたことはないから、有明月の頃を選ぶことにした。今度は武田君の知人である浅井君が同行することになって、三人で東京を出発したのは、雪には少し早く紅葉には既に遅い晩秋の十一月二十一日の夜であった。

二

二十二日。初狩駅で下車して荷拵が済むと直に歩き出す、浅井君のキャビネ版の写真機が荷物になるので皆で分担することにした。其他は二度分の食糧と少許の防寒具に過ぎない。