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Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

あれから七年此の方、自分と、彼なって斯うなったという筋道を知っているが為に、人を卑んでそんなことを言うが、仮令見る影もない貧乏な生計をして来ようとも、また其の間が何ういう関係であったろうとも、苟めにも人の妻でいたものを捉えて、「彼奴も、一つ俺が口説いたら何うだろう。」とは何だ。此方で何処までも温順しく苦笑で、済していれば付け上って虫けらかなんぞのように思っている。いって自分の損になるような人間に向っては、其様なことは、おくびにも出し得ない癖に、一文もたそくにならないやくざな人間だと思って、人を馬鹿にしやがるないッ。

と、忽ちそう感じて湧々する胸を撫でるように堪えながら、向の顔を凝乎と見ると、長田は、その浅黒い、意地の悪い顔を此方に向けて、じろ/\と視ている。

「彼奴も俺が口説いたら何うだろう。」と、いうその自暴糞な出放題な言い草の口裏には、自分の始終行っている蠣殻町で、此方が案外好い女と知って、しごきなどを貰った、ということが嫉けて嫉けて、焦れ/\して、それで其様なことを口走ったのだということが、明歴と見え透いている。

そう思って、また凝乎と長田の顔色を読みながら、自分の波のように騒ぐ心を落着け落着けしていたが、饗庭は先刻その長田の言った言葉を聞くと、同時にまた気の毒な顔をして私を見ていたが、二人が後を黙っ