Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

肉体も、厚味のある、幅の狭い、そう大きくなくって、私とはつりあいが取れていた。

で、その女をよく見ると、「あゝ斯ういう女がいたか。」と思った。それが、その女が私の気に染み付いたそも/\だった。そうすると、私の心は最早今までと違って何となく、自然に優あしくなった。

静と女の指――その指がまた可愛い指であった、指輪も好いのをはめていた――を握ったり、もんだりしながら、

「君は大変綺麗な手をしているねえ。そうして斯う見た処、こんな社会に身を落すような人柄でもなさそうだ。それには何れ種々な理由もあるのだろうが出来ることなら、少しも早く斯様な商売は止して堅気になった方が好いよ。君は何となしまだ此の社会の灰汁が骨まで浸込んでいないようだ。惜しいものだ。」

人間というものは勝手なものだ。斯様な境涯に身を置く人に同情があるならば、私は何の女に向っても、同じことを言う理由だが、私は其の女にだけそれを言った。そう言うと、女は指を私に任せながら、黙って聞いていた。

「名は何というの?」

「宮。」

「それが本当の名?」

「えゝ本当は下田しまというんですけれど、此処では宮と言っているんです。