Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

斯う言って先方の意に投ずるように聞くと、

「本郷の××女学校に二年まで行っていましたけれど、都合があって廃したんです。」と言うから、じゃ何うして斯様な処に来ている……と訊いたら、斯うしてお母さんを養っていると言う。お母さんは何処にいるんだ? と聞くと、下谷にいて、他家の間を借りて、裁縫をしているんです、と言う。

私は、全然直ぐそれを本当とは思わなかったけれど、女の口に乗って、紙屋治兵衛の小春の「私一人を頼みの母様。南辺の賃仕事して裏家住み……」という文句を思い起して、お宮の母親のことを本当と思いたかった。……否、或は本当と思込んだのかも知れぬ。

お前が斯様なことをしてお母さんを養わなくってもほかに養う人はないのか? と訊くと、姉が一人あるんですけれど、それは深川のある会社に勤める人に嫁いていて先方に人数が多いから、お母さんは私が養わなければならぬ、としおらしく言う。

「そうか。……じゃ宮という名は、小説で名高い名だが、宮ちゃん、君は小説のお宮を知っているかね?」

「えゝ、あの貫一のお宮でしょう? 知っています。」

「そうか。まあ彼様なものを読む学者だ。