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Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

年も初め十九と言ったが、二十一か二にはなっていたろう。心の恐ろしく複雑んで、人の口裏を察したり、眼顔を読むことの驚くほどはしこい、それでいてあどけないような、何処までも情け深そうな、たより無気で人に憐れを催さすような、※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)を言っているかと思うと、また思い詰めれば、至って正直な処もあった。それ故その身の上ばなしも、前後辻褄の合わぬことも多くって、私には何処までが真個なのか分らない。

お宮という名前も、また初めての時、下田しまと言った本当の名も、皆その他にまだ幾通かある変名の中の一つであった。

「だから故郷は栃木と言ってるじゃないか。」お宮はうるさそうに言った。

「そうかい。……だって僕はそう聞かなかった。何時か、熊本と言ったのは※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)か、福岡と言っていたこともあったよ。……それらは皆知った男の故郷だろう。」

「そんなことは一々覚えていない。……宇都宮が本当さ!」

「何時東京に出て来たの?」

「丁度、あれは日比谷で焼討のあった時であったから、私は十五の時だ。下谷に親類があって、其処に来ている頃、その直ぐ近くの家に其男もいて、遊びに行ったり来たりしている間に次第にそういう関係になったの。